ガンちゃんは私がお世話になっているオンライン英会話講師の一人で、イギリス育ちのガンビア人です。彼は9月末にトルコからガンビアに帰国したのですが、それ以来非常にネット回線が不安定で、ずっと高かったユーザー評価も下がり気味になりました。
管理人:下村が利用しているオンライン英会話は、レッスンに独自のビデオ通話システムを利用しています。かつてはほぼどこのオンライン英会話スクールもSkypeを使っていましたが、今や各社が自分たちでSkypeと同等もしくはそれ以上のシステムを開発する時代になりました。
私のスクールではそのビデオ通話システムは「レッスンルーム」と呼ばれていて、時間になるとボタンをクリックしてそこに「入室」するという形になっています。そして、ネット環境が悪かったり、停電したり、パソコンがフリーズしたりetc.、何らかの不具合が起きると、先生もしくは生徒がそのレッスンルームから「退出」したと表示され、一定時間以上(現状3分)その状態が続くとレッスンが自動キャンセルされ、生徒は振替レッスンを受けられる仕組みになっています。
まっ、ず〜っと先生が不在のまま待ってても時間がもったいないし、1レッスンの時間も25分と短いのでね。ただ、キャンセルになると先生側にはペナルティが発生するらしいので……ネット回線なんて自分の力ではどうにもならない事だけに先生としてはやり切れないですよね。
ただ、ミランが言うには
講師はレッスンを開講する前に、自身のネットの通信速度が一定基準以上である事を確認しとかなアカンねん。でっ、もし回線が安定してないなら、レッスン開けたらアカンねん。オンラインで教える限り、ネット環境に問題がないっていうのは絶対条件やから。
との事で、規約にハッキリとそう定められているのだそう。通信速度を計測する無料のアプリがあるので、それでスピードテストをしてネット環境に問題がない事を確認してからレッスンするように、と具体的な指示までされているのだとか。
だから、アフリカ諸国の先生を受講するとしばしばネットの接続の悪さを感じるんですが、
きっとお国のインフラがまだ整ってないのかもね、仕方ない
と理解はできる一方で、そういう環境下でレッスンを強行するのは本当はNGなんですよね……。でもお金を稼ぐために、一定の基準ギリギリの回線状況でもレッスンを開講してしまう先生もいるんでしょう。
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さて、話は冒頭のガンちゃんに戻りますが。この日もいつも通りレッスンを楽しんでいたのですが、途中から音声が途切れたり映像が乱れたりし始めました。
すると彼が
ブラウザを再読み込み(一度退出後、再入室)してみるわ。そしたら改善することあるから
と言うので、試してみることに。こういうテクノロジー系の不具合は基本的に私たちの手には負えませんが、それでも再読み込みとか再起動とかすると状況がましになる不思議現象はまぁよくありますよね。
しかし、待てども待てどもガンちゃんが戻ってこないのです。
回線状況がますます悪化してネットに接続すらできなくなってしまったんでしょうか。ソワソワしながら待っていると、そろそろ3分経過してしまいそう……。
アカンやん、ガンちゃん罰金払わなアカンくなるやん
レッスンの途中でも、生徒側から強制的に終了する事も出来ます。その場合は生徒の自己都合という事で、先生側にはペナルティはありません。
なので、思わずレッスン終了のボタンを押しました。まだ10分くらい残っていましたが、その分レッスンの時間を損する事よりも、個人的には仲良しの先生が不利益を被るほうがイヤなので。
ちなみにガンちゃんからはレッスン終了後に送ってくれるノートに丁寧な謝罪とお礼の言葉がありました。
再読み込みしないほうが良かったなぁ……俺のゴミみたいな回線が迷惑かけてゴメン。
I appreciate what you did subsequently. You are very kind indeed.
副詞の subsequently が分からなかったんですが、これは「その後で・その次に」みたいなニュアンスのようで、afterwards と似てるみたい。
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数日経って、再度彼のレッスンを予約するとまたお礼を言われたので
もし同じ事が起こったらその時はまた終了ボタン押したるし、心配せんでいいしなっ♪
と伝えたら、ガンちゃんは
I know you got my back!
と言ってすっごいニコニコしていました。
その時は
うほっ、笑顔が眩しい
ガンちゃんのキラキラ笑顔に気を取られて、彼が何と言ったのかちゃんと聞いてませんでした。いやぁ、笑顔の魅力的な先生なのですよ(しみじみ)
回線不良によるレッスンの強制キャンセルが頻発しすぎて、最悪クビにでもなられたら、困るのは私やから
※結局はこれが原因でガンちゃんも講師アカウント停止になってしまうのですが、詳細はこちらの記事に後日談があります。
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ちなみに、ガンちゃんの一言 You got my back! は直訳すると「君は僕の背中をゲットした」となり、何のこっちゃですが、実際は過去形じゃなくて
You’ve got my back.
で、時制は現在完了形なんだそうです。話し言葉ではhaveが略される事が多いのだとか。
そして割と最近知ったのは、この have got っていうのは口語では have と同じ意味で使われる事があるんですね。
という事は、You’ve got my back = You have my back「君は僕の背中を持っている」となります。
バックアップっていう言葉もあるように、この場合の back はサポートとかそういう意味合いになるようで、自然な日本語っぽく意訳すれば「僕には君がついてる」っていう感じです。
つまりガンちゃんは
僕には君がついてるもんな♪
って言ってくれてたというわけでした。
まっ、振り返ってみれば、私がいたからって結局何の助けにもならなかったわけですが、でもまぁこういった紆余曲折を経てガンちゃんと仲良くなれたので良しとします。
ちなみに、主語を I にして
I’ve got your back.
と言った場合「私が付いているよ」と相手を励ましたり力づけたりする表現として使えるようです。
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【5コマ漫画劇場】
今回習った表現を使って漫画を描いたよ。