前回の記事では”Who am I to judge?”っていう表現をご紹介しました。
この場合の judge には「相手の行動や選択を、自分が正しい立場から評価する」ような意味合いがあって、優越感や上から目線な要素を含むんでしたよね。
記事を書きながらワタクシ、ふと昔見た映画『マダム・イン・ニューヨーク』(原題:English Vinglish)の中に出てきた単語、judgmental を思い出しました。
軽くネタバレになっちゃうかもですが、映画の主人公であるインド人のマダム、日頃から旦那に軽んじられて自分に自信がない上に、英語が全然できないために娘からも見下されて、自己評価が下がりっぱなしなんですが、アメリカ在住の姪っ子の結婚式に出席するために家族より一足先に単身渡米します。現地で一念発起し語学学校に登録。英語を学ぶうちに、クラスの仲間にも恵まれて少しずつ自信を取り戻していくっていうお話なんですね。
英語学習者として、このマダムの姿にめちゃくちゃ共感できるっていうか、励まされる気持ちになれる素敵な映画なのです。
でっ、終盤にマダムが姪っ子の結婚式で「家族を大切にしてね」みたいな内容のお祝いのスピーチをするんだけど、その中で
Please do not be judgmental.
って言うんですね。
だいぶ前に見たんで字幕がどうなっていたかはっきり覚えてないんですが、この judgmentalという単語は映画全体を通じて何度も出てきて、確か「偏見を持つ」っぽい日本語に訳されていたような。
でっ私的には、その「偏見」っていう日本語が若干そぐわないというか、違和感があるなと思っていたのです。
今回改めて英英辞書を引いてみると、judgmental = too quick to criticize people(人を批判するのが早すぎる)という形容詞だそうです。
judge + mental という構造で考えると、この judge も”Who am I to judge?”と同じで「相手の行動や選択を、自分が正しい立場から評価する」っていうニュアンスがコアにある気がする。そこに mental がくっつくことで「そういうメンタルの持ち主である」という意味になるんちゃう? 知らんけど。
だから judgmentalは「偏見を持つ」って言うよりもむしろ、「 批判的」っていう事だと思うんだけど、でも批判的っていう意味の英単語には critical もありますよね。少なくともワタクシは高校でそう習った記憶があるんですが。
judgmentalも critical もどっちも日本語にすると同じ「批判的」になっちゃうのかしら、そうなると両者の違いがよく分からない、そしてどういう状況でどっちを使えばいいのかも分からない、ってことに……。
いい機会なので、ちゃんと調べることにしましょう。
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まず、2つの違いを、ChatGPT:ぱもちゃんにまとめてもらいます。
まかしとき!
| 単語 | ニュアンス | ポイント |
| critical | ある対象(文章・映画・行動など)を分析的に評価 → 辛口になることもある | 厳しい目で評価する感じ。論理的・分析的。個人攻撃は含まれない場合が多い |
| judgmental | 他人の行動や考えを自分の価値観で評価してしまう → 辛口になりがち | 人の行動を良い悪いで判断してしまう。決めつけるような個人的批判が中心 |
つまり、judgemental と”Who am I to judge?”の judge は同じ意味合いってことで、認識合ってるやんな?
まさしく!だから “Who am I to judge?” は、
「自分の価値観で他人を批判するなんてできない(=judgmental になりたくない)」
っていう、謙虚な自己抑制の表現やと覚えといたらええで!
だそうです。謙虚な自己抑制……何かちょっと、きどってますね。別にええけど。
でもこの「自分の価値観で他人を批判するなんてできない(=judgmentalになりたくない)」を、もっと自然かつシンプルな日本語に変換できないかとワタクシ思いまして……。何だかくどくどと説明臭いですやん。
あっ、あとChatGPTを初めとする会話型AIたちが示し合わせたかのように推してきた judgmental の訳があるんですが、それが「決めつける」なのね。
She’s so judgmental.
あの子、何でも人を決めつけるよね。
でもこの訳だと、ワタクシ的には「何をどう決めつけたの?」って思っちゃって。
何となく分かるようで分からん、結局こういうフワっとした訳を提示されても、なかなか英会話で使えるようにならんのよね。留学経験者なら英語のまま感覚で使えるかもしれないけど、万年中級レベルのおばさんは、一度しっくりくる日本語で理解したいのです。
でっ、一晩寝て思い付いたのがこちら。
「ダメ出しばっかりする」ってどうやろ
これなら、critical との差別化もできるんではないかと。
judgmental になりたくない、ってことは要するに「ダメ出しばっかりする人間になりたくない」ってことちゃう?
映画の話に戻ると、
Please do not be judgmental.
は「(お互いに)ダメ出しばっかりしないでね」っていう、新婚さんに向けた既婚者からのアドバイスであると同時に、ずっと自分を見下してバカにしてきた自分の家族に向けた、マダムの精一杯の抵抗の一言だったんですよね。
数年ごしに、ようやくスッキリしました。
『マダム・イン・ニューヨーク』、良作です。おススメ。
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【4コマ漫画劇場】
今回習った単語を使って漫画を描いたよ。
※漫画に出てくる登場人物たちの紹介ページはこちら

漫画内の英文をなるべく自然な日本語に訳してみたよ。
…Sorry for being so judgmental.
ダメ出しばっかしてゴメン。