非っ常~に不可解な事があったので、英会話と直接関係ない話ですが未だにスッキリしませんので誰かに聞いてもらいたくて書きます。
この日、管理人:下村が仕事から帰ってきたところに旦那のノブが声をかけてきました。
ベートーベンの肖像画ってあるやん
あ~。怖いやつ。
ピアノを習っていたワタクシ、小学校の図書室に置いてあった有名な作曲家の伝記は全て読破してまして、その中でもベートーベンの強烈なキャラは嫌でも記憶に残るものでした。そして、かの有名な肖像画の鬼の形相とでも言わんばかりのしかめっ面は、ベートーベンの性格をそっくり表しとるなと思っていたのです。
ベートーベンが手に持ってたのって何か覚えてる?
手に?羽根ペンか何か持ってたんちゃう?
私の返答に、
やっぱり!?
と何故かめっちゃ興奮する旦那。
え、ななな何?
♪
あのネ、ちょっとここからめっちゃ変な話になりますよ。
うちの旦那は少し前から量子力学に関するYouTube動画を見まくっており……あ、量子力学って何?っていう質問にはワタクシも答えられませんので、詳細知りたい方は自力で何とかして下さい。でっその中の幾つかの動画によると「過去は変化し得る」んだそうですよ。例えば、1600年に徳川家康は関ヶ原で勝利したと日本史の授業で習いますが、量子力学という学問においては理論上徳川家康が負けるという過去も存在し得る、うんぬん。
イヤまじで、
頭大丈夫でっか?
って次元の話なんですけど、そこでベートーベンの肖像画の話に戻りまして、旦那が
今持ってるの、羽根ペンちゃうで
と言って見せてきた画像が、確かにあの怖いベートーベンの絵なんですけど、その右手に握られてるのは、何と鉛筆……。
おかしいやろ?
鉛筆は妙に短くて、明らかに違和感が……。それなのにネット上でいくら探しても、羽根ペンを握っている肖像画は見つからないのです。
どゆこと?
歴史が変わってんて。
……ハァ?
ここで半強制的に短いYouTube動画を見せられたんですが、量子力学を研究する人たちに言わせると、過去が変化したので、今のベートーベンの肖像画は羽根ペンではなく鉛筆を持ったものに変わったのだと。更に言うと、あの般若のごとき厳つい形相は、ややマイルドになったそうで……。
そう言われてみると昔はもっと怖い顔をしてた気もしてきますけど、単にホラ話を聞かされてる気もします。
ベートーベンの肖像画に限らず、歴史書なども以前は存在しなかった筈の記述が新たに見つかったり、過去が変わった事を裏付ける発見が次々とされているらしい。
・・・(絶句中)
ついでに、世界地図のオセアニアらへんに注目すると、オーストラリア大陸の位置が以前よりやや北にズレており、パプアニューギニア・インドネシア等の島国との間隔が狭まったと指摘し、これも過去が変化したからだとおっしゃる。
これは確かにそうかも?
何となく、あの辺りの島々が窮屈そうに感じる……?
でも世界地図って色んな種類があったはずだから。メルカトル図法やらモルワイデ図法やら、試験に出るから暗記せなアカンやつありましたよね。だから単に描き方の違いなのでは?とも思いたくなりますけど。
過去が変わる事は量子力学の分野では既に実証されており、常識になりつつあるのだとか何とか、まるで突然異次元の世界に迷いこんだような不気味な話じゃありませんか。
♪
……でっ、本日もオンライン英会話の時間です。
先生はおなじみ、トム・クルーズ先生。
急にこんなぶっ飛んだ話をして頭おかしいと思われるかもしれませんが、落ち着いてレッスンに取り組めるような精神状態じゃありませんので、とりあえず聞いてもらう事に。
今日ノブから怖い話聞いたんよ。アホやと思っても、まずは一旦聞いてくれる?
もちろん。
ベートーベンの肖像画見たことある?
ある……と思う。うん、ノートか何か持ってるやつやな
そうそう! ノートと違う方の手で持ってるのって、何か覚えてる?
ん~……。鉛筆?
ううっ。羽根ペンって言ってほしかった。
そやねん……鉛筆やねん
?
いや、でもトム・クルーズ先生はお若いですから、何年前に肖像画の羽根ペンが鉛筆に変わったのか知らんけど、先生は新しいバージョンしか知らないという事もあり得るか。
あんな、旦那が今ハマってる量子力学によると…(中略)…でっ、肖像画でベートーベンが持ってたのは、以前は羽根ペンやったはずやねん!
あぁ。
先生はなぜか急に納得したような顔に。
あら?
そういう事象、よくあるねん。マンデラエフェクト(Mandela Effect)っていう名前もついてるで
なぜマンデラエフェクトと呼ばれるかというと、かつて南アフリカで大統領に就任したネルソン・マンデラ氏の名前に由来しているんですと。
多くの人たちはマンデラ氏は獄中で亡くなったと思い込んでいたので、実は存命中やったと知って吃驚仰天したらしく、しかもめっちゃくちゃ沢山の人が同じ勘違いをしていて、自分は過去にマンデラの葬儀をテレビで見た、と言い出す人が続出したのだそう。
不思議なことに、同じ勘違いを誰かと共有すると、それがホンマにあった事のような気がしてくるねん。それがマンデラエフェクト。
ほな、過去が変わるとか言う話は……?
そんなんあり得へんから、怖がらなくて大丈夫やで
旦那の信じてやまない量子力学を一刀両断。
でもベートーベンは、私の記憶では絶対羽根ペンやったと思うんやけどなぁ……
あの絵の雰囲気的に、羽根ペン握ってるほうが似合うしな。
じゃ、じゃあコレは? 世界地図のオーストラリアの位置が北にズレたっていう説。これも、量子力学的に説明するなら、過去が変わったのが大陸の位置にも影響したって事らしいで!
って先生に世界地図の画像を見せたら、
へー。確かに僕も、オーストラリアは地図上でもうちょい下のほうにあった気がする。
おぉ。何とベートーベンの件は一蹴されて終わったけど、意外にもオーストラリアのほうは先生の目から見ても違和感があるとおっしゃる! とは言え、
でも多分地図の縮尺とかの問題やろな。
と、過去が変化するっていう説は、相変わらず先生には全く響いてなさそう。でも
この地図の話、面白いなぁ
と何だかちょっと嬉しそうなトム・クルーズ先生なのでした。
♪
ベートーベンの羽根ペンについては、ワタクシは未だに自分の記憶に自信がある気でいるんですけど、
誰かと同じ記憶を共有してたとしても、その記憶が事実とは限らへんって事なんやね……
そういう事。それがマンデラエフェクトやで。
どうやら、今回の件は歴史が動いたという量子力学説ではなく、トム・クルーズ先生のマンデラエフェクト説に軍配です。