先日のオンライン英会話で、初めましての女性のインド人の先生とお話しした時の事です。
先生に
お気に入りの映画って何かある?
と聞かれたので、実際はそこまで好きなワケでもないのですが、少し前に見た”3 Idiots”(邦題『きっと、うまくいく』)っていうインド映画の名前を挙げたら、
いいね!私もあの映画好き!
と嬉しそうにしてくれました。そして
It was a very thought-provoking movie.
と付け加えました。
この thought-provoking という単語は初めて耳にしたのですが、provoke は「引き起こす・誘発する」っていう意味の動詞だから、thought-provoking というと「考えさせられる」という日本語がピッタリですね。
オンライン英会話で定番の教材:デイリーニュースには「この記事についてどう思いますか」っていう設問が必ずあるのですが、無難に This is an interesting article と答えるだけの進歩のないワタクシ。
This is a thought-provoking article.
考えさせられる記事ですね。
とか言えたらカッコいいんちゃう?
♪
でっその数日後、別の先生との英会話レッスンで、20年以上前にテレビで見たイギリス王室に関するドキュメンタリーについて触れたところ、
何でその番組が印象に残ってんの?
と尋ねられたので、ワタクシ、ドヤ顔で
Because it was thought-provoking .
と答えてみたのです。
するとなぜか先生がグイグイ来て
それは何で? どういう意味で thought-provoking? 説明して。
と詰められたので、
ひえぇぇぇぇえ
と脳内大パニックに。だって、日本語で
考えさせられるなぁと思いました。
って言って相手に
具体的にどう考えさせられたの?
って突っ込まれる事、あんまり無いですよね? 就活面接みたいな場ならあるかもしれないけど。
そのドキュメンタリーもずっと前に見た番組で、ぶっちゃけあんま内容を覚えてもないので、
あーとえーと、当時ワタクシあんまりイギリス王室の事知らんかったんやけど、一見華やかで輝かしい王室の姿とスキャンダルの対比が印象的で、結構ビックリしまして、うんぬんかんぬん
と必死で取り繕う羽目に……。
すると先生に、
ふん。それなら、thought-provoking ではないな。そういう場合は、insightful の方がええねん。
と訂正されてしまったのでした。
insightful……?
はい、これも聞き慣れない単語ですよ。けど、先生は insightful と thought-provoking がどう違うのか特に教えてくれることはなかったので(まっ説明されたところでこの状況では頭に入らんかったと思うけど)、分からないまま終わってしまい消化不良。
♪
辞書を引いて出てくる日本語訳は、thought-provoking は「考えさせられる・示唆に富む」。一方の insightful は「洞察力のある」。ううむ……示唆やら洞察力やら、何でわざわざそういう普段使わないような日本語を使うかな。
そこで、オンライン英会話で仲良くしてもらっているポーランド人のフレデリック先生に質問してみることにしました。
あんな、ドキュメンタリーの感想を言うのに thought-provoking っていう単語を使ったら、insightful に訂正されたんやけど、この2つってどう違うん?
ん~、thought-provoking は「何でやろ?」って頭の中にクエスチョンマークが浮かんでるみたいな感じ。
insightful は疑問が生じる事はなくて、単純にたくさん学ぶ事があるっていうイメージかな。
先生は時間を取って更に詳しく説明してくれましたが、短くまとめると thought-provoking は「考えさせられて、その結果疑問が芽生えたり、新たな物の見方に気付く事ができる」という意味合いのようです。
つまり、上記ドキュメンタリー番組の話で言うと、もし私が「何でチャールズ皇太子はダイアナ妃と結婚したんやろ?」って疑問に思ったり、子供心に「W不倫とか離婚とか、結婚って何なんやろう」ってあれこれ考えたなら、ドキュメンタリーは thought-provoking だったと言えるけど、 単に「知らんかった事を色々知って勉強になった」だけならニュアンス的に少し違う(→だから insightful の方がいい)という事になり、フレデリック先生の解説はしっくり来ますね。
新しく習った単語を安易に会話で使うとややこしい事になる、と学んだ出来事でした。
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【5コマ漫画劇場】
今日習った”thought-provoking”を使って漫画を描いたよ。