ご注意)長文です。頑張って最後まで読んでいただくと、貴重なお時間が無駄になる可能性があります。
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12月4日(土)の早朝、ふと目が覚めて無意識にスマホを手に取ったらメールが。利用しているオンライン英会話スクールから届いた、予約していたレッスンのキャンセル通知でした。
どの先生のレッスンがキャンセルになったのか確認したら、ガンビアのガンちゃん。このところ頻繁にお世話になっていた先生です。
最近は毎週金曜日の夜ガンちゃんのレッスンを受けるのが習慣になっていたので、前日の3日(金)も受講したのですが、レッスン終わりに
See you next week, if nothing happens.
何も起こらんかったら、また来週。
って何やら意味深な事を言われていたのです。
今利用しているオンライン英会話スクールは、インターネット回線が悪くレッスンができなかった場合に先生はペナルティを課されてしまうらしいです。
数週間前にもガンちゃんが1週間レッスンを開講しなかった時期があり、戻って来られた際におっしゃってたのが
1週間のsuspension明けやねん。先週通信状態最悪で大量にキャンセルしたペナルティ💦
※suspensionっていうのは一時的な停学・停職の事です。
ガンビアはまだまだネット環境が整っていないようで、日に寄りけりですが時々本当に回線状況が不安定な時があり、それは決して先生のせいじゃないのですが、それでも罰として1週間の停職を食らってしまったという事でした。
再度停職になっちゃったのかな?来週1週間はまたレッスンできないのかな?…とか想像していたら、ガンちゃんのプロフィールにアクセスできなくなっていることに気が付きました。プロフィールが削除されたという事は、既に先生が在籍してないって事を意味します。
めちゃくちゃショックで一気に目が覚めました。
大好きな先生に「また来週」と言われた翌朝。いきなり突き付けられた、もう先生に会う事ができないという現実…。
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年々変わっていく、オンライン英会話の利用規約。スクールによって多少は違うのでしょうが、現在多くのスクールがレッスン外での講師と生徒の接触を禁止しています。もちろん、ある程度理解はできるんですけどね。
例えば、レッスン外で講師・生徒間に何らかのトラブル(金銭絡みとか、恋愛関係からの揉め事とか)が起きた場合に責任取りたくないってのもあるでしょうし、他にも講師と生徒がすごく仲良くなって「スクールは止めて、個人的に契約しないか?」みたいな話になったら、スクールとしては顧客を奪われるって事になります。
スクールに登録されている先生方の講師名は本名ではないケースもあるし、また苗字は原則非公開なので、SNSなどで先生個人のアカウントを検索する事もなかなか難しいのが実情です。先生側のプライバシー保護の意味もあるでしょう。生徒に自分の事を詮索されたくない方も当然いらっしゃるでしょうから。
つまり、オンライン上で先生を探すのがめちゃくちゃハードル高いって事です。
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お互い真面目に、「レッスン外で講師と生徒は接触しない」という規則を守っていたため、私は常日頃からガンちゃんに
辞める時は教えてな。 辞める時は、その前に連絡先交換してな。
と口酸っぱく言っており、彼も二つ返事でOKしてくれていました。
でも、こんな風にある日突然蒸発されてしまうと、もう連絡の取りようがありません。恐らくネット回線が悪くてレッスンのキャンセルが多すぎるという理由での解雇なのでしょう。
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先生のプロフィールページには、先生の講師名・年齢・性別・出身校などが記載されていました。でも、一旦アカウントが消えてしまうと、全て見れなくなってしまいます。こんな事もあろうかと、事前にメモでも取っておけばいいのでしょうけど、なかなか普段からそんな事考えて生きてないですよね。
ただ!傷心の私がノートパソコンを開けると、前夜にたまたま閲覧して開けたままになっていた、ガンちゃんのプロフィールページがまだそこに残っていたのです。
大慌てで年齢や出身校を書き写します。うわぁ、いつもの事ながらなんて運がいいんヤロ(興奮)。
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急に胸が希望に満ち溢れてきたワタクシ。
決めた!ガンちゃんを探しに行こう!オンラインの世界のどこかに、絶対見つかるはずや~!
しかし一方で、
何もやらんよりはましやけど… 可能性はほんま小さいと思うで?
探すって言ったって…、いったいどこをどうやって探すん?
せめて共通の友達でもおらな、さすがに厳しいんちゃう?彼の事知ってる人、誰かおんの?
と、みんな私の突飛な発想に困惑気味…。
それでもなぜか、必ずまた会えるという根拠のない私の自信は揺らぎません。
これまでに2回、ガンちゃんの似顔絵を描いた事があり、とても喜んでもらいました。ここで3枚目の似顔絵を描く事にし、その3枚の似顔絵を添付した「尋ね人情報求ム」を、各SNSに投稿してみようと思い立ったわけです。
どんな顔をしてるのかは何よりも重要な情報、だからと言って許可も無く勝手に顔写真をスクリーンショットして使うわけにいきませんから、ここは趣味のお絵描きが非常に役に立つところ。
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ガンちゃんは常日頃から
俺SNSはやらへん主義やねん
と言ってたので、SNS上で本人を直接見つける事はできないのだけれど、あんな素敵な先生なんやもん、きっと友達がわんさかいるハズ。でっ、友達の誰かがSNSの私の投稿を目撃し、ガンちゃんに知らせてくれるであろう…というのがワタクシの目算です。
JJにこの話をしたら、
うーん、SNSはやらへんとしても…LinkedInとかにおらんかな?
LinkedInも一種のSNSみたいなもんですが、一応ご存知ない方のために説明すると、もっとビジネスに特化したプラットフォームで、自分の出身校や職歴なんかを登録しておくと企業側からオファーが来たりもするようです。私もアカウントだけは持っていますが、ほぼ使ったことがないので詳しいことは聞かないでください(汗)。
とりあえず LinkedIn上で、ガンちゃんのファーストネーム(Omar)とガンビア国籍をキーワードに検索かけてみたら、出てくる出てくる。大量のGambian Omar…
どうやらOmarってのはガンビアで非っ常〜によくある名前のようですね。
ダメだこりゃ💦
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自分の計画をオンライン英会話で何人かの先生にも聞いてもらったら、いくつかアドバイスをもらえました。
RedditとかFacebookに、オンライン英会話講師のグループがあるから、そこで聞いてみたら?
アフリカで主流なSNSはfacebookやから、facebookの何らかのコミュニティーで探してみるといいかも
Redditっていうのは、英語の巨大掲示板みたいなサイトですよね。さっそくRedditのアカウントを作り、まずそこに投稿してみました。
こちらはイメージです(実際の文面は英語)↓
すると2人のユーザーさんが
FacebookにWhat’s on Gambiaというガンビア人のグループがあるからそこで探してごらん
FacebookにGambian Youth’s communityというグループがあるからそこで情報募集してごらん
と教えてくれました。どうやら、やっぱりFacebook上で探すのが良さそうですね。
Redditのガンビアさんたちに教わった、Facebookの2つのグループにアクセスしましたが、まずグループに参加させてもらう為に権限をリクエストする必要があり、簡単に投稿ができないようです。とりあえず参加するための申請を出し、ついでに参加人数の多かったもうひとつ別のガンビア人コミュニティーにも参加の申し込みを。
その間に、InstagramとTwitterにも同じ内容で投稿します。
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ちなみに、この記事を書いている2021年現在、日本にガンビア大使館はありません。セネガル大使館が兼任している模様です。
しかし、以前ガンちゃんが
名古屋にな、日本で唯一のガンビア料理レストランがあるらしいねん。生徒のひとりが教えてくれたんよ。
と言っていて、そのレストランの経営者であるガンビア人女性が、詳細は不明ですが「臨時名誉総領事」というスタンスで大使館に代わって在日ガンビア人のサポート等をしているらしい…。でっ、その臨時名誉総領事館のメールアドレスを発見したのでそこにも連絡。
それから、ガンちゃんは9月までトルコに住んでいましたから、トルコのガンビア大使館のHPを覗いてみたらメールアドレスが載っていたので、そこにも連絡。もちろん、「ガンちゃんの連絡先教えてください」ってお願いしても個人情報なので簡単に教えてもらえる訳がないでしょうから、
もしガンちゃんと連絡がつくなら、私の連絡先を渡してくれませんか?
とGmailのアドレスを添えてメールしてみました。
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そして、昨年2週間だけお試しで利用したオンライン英会話スクール:Camblyのアカウントがまだ残っていたので、ログインしてガンビア人の講師を検索したところ一人だけヒット。その先生のプロフィール動画を再生してみると、
現在私はトルコに住んでいます。
何ですと!?
確か、ガンちゃんがまだアンカラに住んでいた時に、
トルコには20人くらいガンビア人が住んでんねん。
と言っていた記憶があり、ってことは、この先生がその20人のうちの一人で、ガンちゃんの知り合いかもしれないし、直接知り合いじゃなくても、トルコ在住の他のガンビア人と何らかの繋がりはあるだろうし…この人経由でガンちゃんが見つかるのでは!?
Camblyのいいところは、講師とレッスン外でも個人的に連絡がとれる事です(メッセージ機能がある)。しかも私現在契約してないのに、メッセージ機能は普通に使えたのです。早速その方にもメッセージを送りました。
ただ、数日ウォッチしてたけどこのガンビア先生が全然オンラインにならないんですよね。講師用アカウントを作ったはいいものの、結局レッスン開けてないのかなぁ。ちっともメッセージを読んでくれる気配がないのです。
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ガンちゃんは、私が利用しているオンライン英会話スクール上唯一のガンビア人講師でした。なのでX(旧Twitter)上の英語学習者界隈でも結構知られていたのです。X(旧Twitter)で仲良くしてくださっている方のひとりが気にかけてくださって、以下のようなメッセージを下さいました。
来年から先生、ガンビアの外務省にお勤めされるんですよね?だったら、日本のガンビア大使館経由で聞いてみてはいかがでしょうか。
そう、ガンちゃんは来年から就職がもう決まっていて、年明けからは忙しくなるからこれまでのように頻繁にレッスンはできなくなるだろうっていう話は聞いていたのです。
トルコのガンビア大使館宛に送ったのと同じ内容で、年始にセネガル大使館宛にメールしてみてもいいかもなぁ…。
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…ってな感じで、1週間ほどオンライン上で忙しく捜索活動に精を出していましたら、全く知らん人がInstagramにフォローリクエストを送ってきたのです。プロフィール写真が怖いお面みたいな画像…映画かアニメの悪役キャラ?何かなのか分かりませんが、とりあえずお面がキモい。それも写真も一枚も投稿してないアカウントで、全く素性が分かりません。
普段こういうリクエストは即削除する私ですが、一応その方のフォロワーをチェックしてみたところ、What’s on Gambiaというアカウントを発見。
そういや…Facebookにも確かWhat’s on Gambiaっていう名前のコミュニティーがあったぞ💡
って事は、この方は恐らくガンビア人、もしそうでなくてもガンビアにゆかりがある人に間違いなさそう…!と思って、リクエストを承認してみました。
でっ、特に何も起こりませんでした(笑)。
何か言ってくるでもなく、ただ私のフォロワーに薄気味悪いお面が追加されただけで、その方は沈黙していました…。
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Facebookの各グループに投稿させてもらった尋ね人情報求ムも、日が経つにつれ他の新しい投稿に埋もれて、だんだん目立たなくなってきました。
Camblyのガンビア人の先生は未だにオフライン。
各大使館からも音沙汰無し。
もうこれは一旦万事休すか?年が明けてから、セネガル大使館に連絡してみるしかないかな、と思っていた矢先。
あのお面が動きました。
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唐突に英語でメッセージが来まして。ざっくり訳すとこんな感じ↓
Hello, Shimomura. 私たちは、隣人Omarに関するあなたの投稿を見ました。彼の許可を得たので、彼のメールアドレスと電話番号を教えます
Gmail: xxxxxxxxxxxxxxx@gmail.com
Phone number: +220 xxx xxx
うわぁぁぁ、ホンマかいな!
…しかしながら、ここは簡単に信じないのが悲しいかなオトナの脳を持つワタクシ。
もしかしてもしかしたら、なりすまし詐欺かもしれんから、慎重に行こ
ガンビアの事は何も知りませんが、ガンちゃんが言ってたのは
人口の約20%は文字が読まれへんねん
ってことは、まだ貧しい人たちもたくさんいるのでは?
ナイジェリアからの手紙やっけ?何かアフリカにはそう呼ばれる手口の犯罪が存在するんよね!?
……詐欺集団かもしれん!
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実はですね、そういう危険性もあろうかと、Facebookの各コミュニティーに尋ね人の投稿をするに際して、元々Rako Shimomuraとしていた名前を、Shimomura Rakoと苗字を前に持ってくる形に変えておいたのです。そしたら、一見Rakoのほうが苗字で、Shimomuraのほうがファーストネームみたいに見えますやん。特に外国の方は容易にそう勘違いするであろうと。
だからお面がメッセージくれた際も、
Hello, Shimomura.
と書いてきたわけです。
もし、この教えてもらったアドレスにメールを送って、ガンちゃんが私の事をShimomuraと呼んだら?
それは私の探しているOmarではない!!
詐欺やっ詐欺!!
……う~ん、私、考えすぎ?
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とりあえず、GETしたGmailのアドレスに短文を送ってみる事にしました。
どうやらGmailのアカウントにご自身の写真を登録しているようで、メール送信用の画面にめっちゃ小さく、黒人さんの画像が見えます。
でも、小さすぎて……顔が判別できない。何となく、ガンちゃんっぽくもあるが……。老眼なので、全く見えん(汗)。
しかもワタクシ、黒人さんの顔を見分けるの苦手ですねん。一応3回似顔絵描かせてもらったからある程度のガンちゃんの顔の造りは把握しているつもりやけど、まだ正直自信ないのよね。
でっ、送ったメールがこんな感じ。
ガンちゃん、Hello!
あなたのプロフィールが急に消えてしまったから心配していました。
でも連絡が取れて良かったです。
WhatsAppでもいいので返信ください。その場合私の番号は+8190xxxxxxxxです。
Shimomura Rako
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WhatsApp。ガンちゃんはSNSは一切やってないけど、このアプリは使っていると聞いていたのです。一時期、私が描いた似顔絵をプロフィール写真として使ってくれてたんですって。
このアプリもワタクシほぼ触った事がないので使い方がよく分かりませんが、電話番号で登録するヤツなんですよね。
まず教えてもらった電話番号の国番号+220がガンビアかどうかをチェック。これが違う国の番号なら、詐欺集団である!!
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…ガンビアでした(笑)
でっ、一応アプリにガンちゃんの番号を登録完了したけど使い方が分からないので一旦放置。
Gmailの返信を待ってみます。
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…が、返事来ない。
短気な関西人の下村、もう一度WhatsAppを開けてみました…ら、さきほど電話番号を登録した瞬間には表示されていなかった、ガンちゃんのプロフィール写真が表示されるようになっていた。
間違いなくご本人です。
さすがに、詐欺師グループもご本人の写真まで取得してなりすますなんて、そこまで高度な事はできまいよ。
99%、ガンちゃん本人に間違いない…!
と信じて、今度は
Hello, Omar
This is Rako
Your online student
と送ってみたら、すぐ返事が来ました。
Haha sorry for abruptly disappearing.
急に消えてごめん!
It wasn’t how I wanted it to go. They terminated my account.
思い通りに行かんかって。アカウント止められてもうた
間違いない~!ガンちゃんやぁ!!
見つかった…!見つかったよおぉおぉぉぉ!!
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12月4日に消え失せたガンちゃん、200万人のガンビア人の中のたった一人。
11日後にオンライン上で捕獲いたしました。
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好きだった先生が急にいなくなってしまって、ショックを受けるっていうのは、多分オンライン英会話を長く利用していたら一度や二度は少なからず経験することかもしれません。
でも、実際にこうやってインターネット上を大捜索して、ご本人を見つけ出すっていう体験をした事のある方はそうたくさんはいないんじゃないかな。
と思って、まぁ長くなっちゃいましたが、ちょっと書いてみました。
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しかし、これだけ長々と書いておきながら実はまだ続きがあります。読んでもいいよという方はこちら。