数年前にハマっていたドラマ:This is us を久しぶりに見返している管理人:下村です。
このドラマはアメリカの家族を描いた作品なんですけど、お母さん役のマンディ・ムーアは女優兼歌手(ディズニー映画『塔の上のラプンツェル』の主役の声も演じてるそう)で、このドラマの劇中でも元々歌手を目指してたけど挫折して主婦になったみたいな設定だったのね。
でっ、ある過去を回想するエピソードで、彼女が地元ピッツバーグから地方都市にオーディションに参加するために出かける回があるんだけど、審査員たちに酷評されて、悔し涙を流してるところをマイロ・ヴィンティミリアが演じるお父さん(まだ結婚前なので彼氏)が慰めてくれて、2人の愛が深まる的なあらすじなんですけど、
審査員の人たちに「キミの歌声はピッツバーグでは通用するかもしれないけど」って言われちゃった。でも、褒め言葉だと思うことにする
みたいな感じの字幕が出てる時、ほぼほぼ聞き取れなかったんですが、”Pittsburgh good”っていうのだけ耳に残ったんです。
これを字幕と照らし合わせたら、「ピッツバーグでは通用する」っていう箇所が”Pittsburgh good”に相当することになるわけですが、
good だけで「通用する」っていうニュアンスになるのかしら?
もしワタクシが自分なりにこの「キミの歌声はピッツバーグでは通用するかもしれない」っていう日本語を英訳するとしたら、”Your voice is good enough in Pittsburgh, but not here.”ってな風に、enough を入れると思うんですよね。
後からネットで調べると、実際は
They said I was ‘Pittsburgh good,’ which I have decided to take as a compliment.
と言っていたようです。
だから、本当に”Pittsburgh good”と言ってたんですね。
こういう時頼りになるのが生成AI。さっそくChatGPTのぱもちゃんに聞いてみますよ(ちなみに、This is us のこの回が最初に放送されたのは2018年で、私が視聴したのは2020年くらいだったかと思いますけど、当時は生成AIなんてものが5年後に存在するなんて想像もしなかった)。
「ピッツバーグでは通用する」って、英語でPittsburgh goodって言う?
言うんだな、それが!😄
“Pittsburgh good” は口語表現で、「ピッツバーグでは“良い”とされるけど、他の場所ではそうでもないかも」っていう意味やで。
評価の基準がその場所限定で、他所では微妙かもっていうニュアンス。つまり、「良い」には違いないけど、条件付きの良さという事になるらしい。
ほうほう。ってことは、字幕では「通用する」ってなってたけどあれは意訳で、もうちょっと忠実に直訳っぽく訳すなら、“Pittsburgh good”=「ピッツバーグ基準では良い」か?
そう! 冴えてる。「〜では通用する」は確かに秀逸な訳やけど、“〇〇 good”の本質はまさしく「〇〇基準では良い」。その土地や文脈の“価値観フィルター”を通した評価ってこと!
じゃあ、Pittsburgh以外に置き換えても使えるのね?
他の土地に置き換えても十分使えるで。「〇〇 good」は “〇〇の物差しで見たら良い” っていう言い方やから。
ただし、ニュアンスが伝わるかどうかは、その場所のイメージや状況次第ではある。
以下、ぱもちゃんが挙げてくれた例をシェア。
まず、”Nagoya good”(名古屋基準では良い)。
This breakfast is Nagoya good — miso-heavy, carb-loaded, and proudly untrendy.
この朝食は名古屋らしさ全開——味噌たっぷり、炭水化物がっつり、我が道を行くスタイル。
名古屋メシって地元では愛されてるけど、他県民には驚きもあるからな。
ワタクシ10か月だけ仕事で名古屋に住んだことあるんですけど、食文化の違いには本当にビックリしましたから。新幹線で大阪からたった40分の距離なのに、食べ物こんなに違うの!?ってなったもん。
後から知ったんですけど、味噌煮込みうどんって〆にご飯入れるってホントですかね? 赤味噌も食文化も濃い名古屋。
次に、”Akihabara good”(秋葉原基準では良い)。
This setup is Akihabara good — triple monitors, glowing cables, and a shrine to a 2D girl.
このデスク環境、いかにも秋葉原って感じやな――トリプルモニター、光るケーブル、それに2D美少女の祭壇まで完備。
友達の部屋に遊びに行って、ゲーミングデスクがすごいことになってるのを見た時とか、YouTuberの配信環境を見た時とかに言いそうなセリフやな。
なるほど、その界隈ではイケてるけど、他では「えっ?」になる感じか。
“Osaka good”(大阪基準では良い)も言えるで。
Her outfit is Osaka good — leopard print bag, zebra scarf, and she’s rocking it with total confidence.
彼女の服装は大阪クオリティ――ヒョウ柄のバッグにシマウマ柄のスカーフ、でも完全に自信満々着こなしてる。
関西のオバちゃんのファッションといえばアニマルプリントやからね。ワタクシも持ってまっせ勿論。
同じ形でよく使われるのは他にも:
“That’s street good.”(ストリートレベルなら上手いけどプロとしては微妙)
“That’s YouTube good.”(YouTubeなら人気出そうなくらいには良い、でもテレビや映画で出したらショボい)
とかがあるで。
へー。じゃあ、”Instagram good”は? 見た目はいいけど味はイマイチとか?
言える言える! “Instagram good breakfast”って言えば、「写真に撮ったらめちゃ映えるけど、食べてみたら微妙な朝食」って感じに自然に通じる。
Instagramって言えば、Instagramable っていう単語もあるよね。けど、Instagramable が「インスタ映えする」っていうポジティブな意味合いなのに対し、Instagram good って言うと「インスタではよく見えるけど、実物は見た目重視でちょっと……」っていう皮肉っぽい評価になるわけだ。
ワタクシの作るお菓子は味はいいけど見た目はイマイチだから、完全に Instagram goodの真逆を行ってますね……えっ、自慢になってないって?
