本日のオンライン英会話は、インドネシア在住のボツワナ人の先生(60)です。
管理人:下村は自分より年上の講師はほとんど選ばないのですが、この方はすごく穏やかで優しく、かつ話していてとても勉強になるので時々お世話になっています。ちなみに管理人の旦那:ノブもこの先生が大のお気に入り。
今回は、先生の祖国ボツワナに関するニュースが英語記事になっていたので、それを教材に使用します。
長くインドネシアにお住まいとは言え、ご自分のお国に関する話題なんやから先生もチェックしてるっしょ
でっ、その記事のタイトルなんですが「ボツワナ、2万頭の象でドイツを脅迫」っていうのです。
ワタクシ最初タイトルだけ見た時は、ボツワナが象を殺すドイツ人密猟者に激怒して、何らかの形で脅しをかけたっていう内容なのかなと思ったんですけど。
意外にも全然違う話でして……。
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まず、記事の中に何度も出てくるトロフィー・ハンティング(trophy hunting)。
トロフィーって聞くとどうしても金ぴかの杯をイメージしちゃうけど、英語の trophy には「戦利品」っていう意味もあるんですね。
要するに、お金持ちがハンターのライセンスを購入し、合法的な狩猟という形で野生動物を殺し、戦利品として象牙だったり、或いは剥製を作りたいなら頭部なんかを持ち帰るっていう娯楽の一種のことをトロフィー・ハンティングって言うんですね。
記事の中では「スポーツ」って定義されてたけど、スポーツなのか……?まっ、英語では釣り(fishing)もスポーツだったりするらしいから、同じような意味合いでのスポーツなのかもね? 知らんけど。
とりあえず、ちゃんと許可を得ての狩猟だから、「密猟」じゃないんですよね。
でっ、そのトロフィー・ハンティングをめぐる論争で、ボツワナの大統領が2万頭の象をドイツに送り付けると脅迫したっていうんですね。
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今年ボツワナは象が増えすぎているので、外国人にどんどん来てもらってライセンスを買ってもらい、象の狩猟を楽しんでもらいたい。そうすれば、個体数を減らすことが出来る。
しかしながらヨーロッパは野生動物は保護するべきっていう考え方がどんどん主流になり、アフリカでの狩猟は禁止すべきという論調になってきている。特にドイツの政治家は狩猟で手に入れた象牙や剥製などの国内への持ち込みを規制すべしと主張しているようで、それに対してボツワナの大統領が
象が増えてわしら困っとんねん、もっと象を撃ちに来んかい!そんな事言うなら、オメーの国に2万頭の象を送り付けたるど!
と脅した、という話らしい。
しかも、
冗談で言うとんちゃうど
って念押しもしたらしい。
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さて、まず先生に
先生はこの話、知ってる?
と尋ねてみたところ、
I heard about it on social media. It’s been doing the rounds.
へっ?
前半の「SNS上で知った」ってトコは分かったけど、後半の doing the rounds っていうのは何でしょうね。
まっ、それは後ほど復習することにして、先生曰く、
象には天敵がおれへんからな、放っとくと増えてまうんよ。
そのため、ある程度は駆除する必要があり、以前はハンティングのおかげで個体数が保たれていたけど、密猟を全面的に禁止にした結果、激増してしまったとか。そして今度は人間に被害が及ぶようになったと……。
想像するに、日本の熊みたいな感じなんですかね? 冬場にしょっちゅうニュースになってましたが、あれも生態系が変化して数が急増した一例ですよね。知らんけど(本日2回目)。
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ところで、ボツワナ大統領のドイツに象を送り付けるっていう脅迫ですが、
大統領は「冗談ちゃうで」って言ってるけど、冗談やんな?
冗談やろうとなかろうと、物理的に無理やもん。
まっ、そうね。
でもな、そこまで象が増えて困ってるんなら、外国に頼らんとさっさと自分らで駆除すればいいんちゃうの?
そしたら金にならへんやん。外国人に象狩りのライセンスを売ってな、それで金儲けしたいねん。地元の人間にはライセンス買えるような金無いし。
あそっか。結局外国を相手にしたビジネスの話なのね……
むーん。でも、実際現地では象による被害が出てるんよね? カネが欲しいあまり優先順位間違えてない?って、先生を問い詰めたところでどうにもならんので黙っときます。
ちなみに、海外のお金持ちハンターが象を殺して、欲しい部位だけ持って帰ったら、その後の残った不要な部分ってどうなるの?
だって、あんな巨体そのまま放置しといていいの?って思うやん? 好奇心から質問してみたら、
えっどうやろうなー。地元の人らが撤去…するんちゃう? 肉は、食べ……るんか?
象の肉って食べれんの?
知らん~。食べへんと思うけども……。ちょっと待ってや、調べてみよ
うん、私もググってみる
2人で調べてみると、どうやらカメルーンやコンゴ共和国など、珍味として食べられている国もある模様。
へ~、こりゃ知らなんだ。
国によるってことね。面白い。
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最後に、先生の使っていた表現:do the rounds ですが、辞書を引いてみたら「(ニュースなどが)話題になる・広まる」という意味でした。
I heard about it on social media. It’s been doing the rounds.
SNS上で話題になってたから噂は聞いてるで。
ついでに、動詞を make に変えて make the rounds と言っても同じように使えるみたいです。
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【4コマ漫画劇場】
今回習った表現を使って漫画を描いたよ。