管理人:下村は昨年、かつてお世話になっていたオンライン英会話の先生とお会いする機会がありました。英語教師の職を得たため、ジャマイカからはるばる来日されることになったのです。
お土産にジャマイカで非常にポピュラーだという、ブラウニングソースなる物をいただきまして。
ブラウニングは、つまり「ブラウン(茶色)にする」っていう意味で、シチューなんかの色付けに使うらしいんですよね。
調味料というよりはむしろ着色料?
ワタクシが個人的に雇っているオンライン英会話の先生:JJもジャマイカ人ですが、お料理好きのJJ曰く、
ジャマイカ人にとって、料理の色合いはめちゃくちゃ重要やねん
との事。
例えばブラウンシチューを作った時、実際に口にする前に、色を見てまず判断するねん。
色が薄かったら、もう少しブラウニングソース足そっかな、みたいな。
そういえば、下村は一度ジャマイカの揚げドーナツ(フェスティバルと呼ばれる)を作ってみた事があるんですけど、ジャマイカの先生たちに写真を送ったら、みんな
そのフェスティバル、何か色おかしくない?
って、めっちゃ厳しかったんです。内心、
色なんて別に良くない?美味けりゃ何でも
って内心思ってたのは事実。
違うねん!色めっちゃ大事やねん!
力説するJJ。
僕らの中には、フェスティバルの理想的なキツネ色の基準があるねん。だから色がそれよりも薄かったり濃かったりすると、何かが間違っているような気になるねん。
味よりも色に拘りがあるっていうのが、日本人としてはな~んか、解せないですけども。
JJは続けて、
Even if the taste is the same, a lot of people won’t give it a chance if the color is a bit off.
「味は同じやとしても、色がちょっとでもおかしかったら食欲をそそられへん」って感じの事を言ってるのかな?
美味けりゃ見た目なんてどうでも良しと思っているワタクシとは対極的な意見ですがね……。
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さて、今回はJJの使っていたフレーズ:give it a chance を改めて見てみます。
give it a chance は直訳すると「それにチャンスを与える」ですが。今回は否定文で使われてるので「チャンスをやらない」となりますね。
そして、文脈から “People won’t give it a chance if the color is a bit off.” は「色が少し変だったら食べないだろう」という意味合いだと解釈できそうです。
要は、食べ物にチャンスをやる=食べてみてやる、っていう、食べ物に対して上から目線な物言いって理解すればいいんですかね。
確かに食べ物は人様に食べられるために存在しているのであり、食べられず廃棄されちゃ存在意義が失われるわけで、そのチャンスを得られるほうがいいに決まってます。
やや無理矢理な解釈ですが、それを踏まえて改めて辞書を引いてみると、give it a chance で「それを試してみる・やってみる」。
give it a try や give it a shot, give it a go に構文的にも意味的にも似ていますね。
特に食べ物に限らず、色んな物に対して使える表現のようで、ワタクシふと思い出したのが、ジョン・レノンの曲名:Give Peace a Chance(邦題 :『平和を我等に』)。目的語に代名詞の it じゃなくて、peace という名詞が来ていますが。
確かベトナム戦争に対する反戦を意図して作られた歌だったと思うんですが、「平和にチャンスを与えよう」、って事はつまり「平和を試してみよう」、って事はつまり「戦争は止めよう」って事なんですね。
話が脱線しましたが、とにかく、食べ物の色に関してやたら煩いっていうのは、ジャマイカ人の拘りの強さを表す良い一例だなと思っているのです。
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【4コマ漫画劇場】
今回習った”give it a chance”を使って漫画を描いたよ。