本日のオンライン英会話の先生は、おなじみモンテネグロのトム・クルーズ先生です。
トム・クルーズ先生とのレッスンでは毎回、このブログに掲載している漫画の英訳をチェックしてもらっていまして、今回見てもらったのは以下。ここでは英語バージョンと日本語バージョンの両方を掲載します。
管理人:下村、「黙れ」っていう一言を最初 Shut up! と訳してたんですが、フツーすぎてつまんないので、何か別の言い方は無いのかなと思って調べたら、Save your breath! っていうのを見つけたので、使ってみたんですよね。
でも、そのセリフを見たトム・クルーズ先生に、
Save your breath! は「黙れ」とはニュアンスちょっと違うねん。
と指摘されまして。
“Save your breath” is used to stop someone from arguing over a lost cause or something that’s already done.
Save your breath は、a lost cause とか既に終わったことについて、相手が議論しようとするのを止めるのに使うねん。
ふむ?
せっかく説明してくれているのに、a lost cause っていう聞き慣れない表現にテンパって先生の話が半分も耳に入ってこないワタクシ。
つまり、Save your breath は「これ以上議論しても無駄やで(=だからもう黙っとき)」って伝える表現やねん。
漫画のこのシーンでは、2人は別に言い争いもしてないし、単に「黙れ」って言いたいんやろ。
うん。
Shut up! を使いたくないんやったら、Zip it! ってのがあるで。
こちらの考え
こちらの思考は全てお見通しのトム・クルーズ先生。きっちり別の表現を教えてくれます。
更に、先生的にはまるちゃんのセリフも何となく不自然との事で、最終的に以下のような英訳に落ち着きました。
♪
さて、話を戻して、先生の使っていた a lost cause。Google翻訳にかけると、「失われた大義」って訳されるんですけど、全くもって意味不明です。
次にワタクシがGoogle翻訳よりも遥かに信頼しているDeepL翻訳。こちらで調べると今度は「失われた原因」……。これも絶対違う。
♪
辞書を引いてみると「成功する見込みのないもの」と出てきました。
さきほどのトム・クルーズ先生の一言、
“Save your breath” is used to stop someone from arguing over a lost cause or something that’s already done.
にこの定義を当てはめてみると、後半部分の a lost cause or something that’s already done は「(議論しても)見込みのない事・あるいはもう済んだ事」という意味になりますね。
“Save your breath!” は単なる「黙れ」じゃなくて、誰かと話していてそれ以上の議論や説得が不要・あるいは無駄だと感じた時に言う「もう結構」という意味合いの「黙れ」のニュアンスだという事がやっと分かりました。
♪🌳
本記事のタイトルは「”a lost cause”ってどういう意味?」なのに、”Save your breath!”の説明みたいになってしまいましたんで、もう少し詳しく a lost cause のほうを見てみましょう。
語源は戦争に由来するようです。そして cause の意味は「原因」ではなく「目的・目標」なんですって。確かに cause を辞書で引くとそういう意味も載っています。戦況が悪化し、敗北は避けられない=当初の目的が達成できる見込みゼロ……という事で、a lost cause という言葉が生まれたらしい。
それが戦争以外の場面でも使われるようになり、a lost cause と言えば勝ち目無しの戦争と同じように、うまく行きっこない事を指すようになったそうです。
ネット上で a lost cause を使った例文を探してみたところ、例えば It was a lost cause.と言えば「それは徒労に終わった・無駄骨だった」。または He is a lost cause.のように人を主語にして「あいつは救いようがない」みたいにも言えるようです。
🌳🌳🌳🌳🌳🌳
【5コマ漫画劇場】
今回習った”a lost cause”を使って漫画を描いたよ。